これからの社会をつくる起点を考える。
これからの社会をつくる起点を考える。
これまでの概念や常識が破たんしていく将来、
あらゆる場所や地域でで100年スパンの未来を描くためのヒントになればと、
これまで見聞きしてきたことの気づきをまとめておきます。
1.起点とアプローチ方法
地域が未来を描くときに、
どこを起点にして、どういったアプローチから未来を描くのか、
自分の仮説として3つの起点があるのではないかと考えています。
- 看護・地域医療
- 教育・児童福祉
- 農林漁業
「看護・地域医療」は終わりからのアプローチ。
「教育・児童福祉」は始まりからのアプローチ。
「農林漁業」は本質的な価値が生まれる豊かさの根源からのアプローチ。
もちろんこの3つ以外のアプローチも考えられると思いますが、
どんな地域でも普遍的に通用するアプローチ、考え方ではないかと感じています。
すでに未来に向けて取り組まれている話を少しだけ取り上げたいと思います。
「看護・地域医療」の領域であれば、
2025年問題や、2040年問題で論点が挙げられているように、
健康保険や介護保険制度が破たんするのではないかという点や、
病院数や病床数、医療従事者の数も足りなくなり、
死ぬ場所がなくなってしまう可能性があることが現実味を帯びてきています。
そんな未来を迎える前に、在宅医療を起点に
自宅で看取ることができる体制を整備している取り組みや
地域に飛び出す看護師(医療人材)を育てる取り組みがすでに始まっています。
「農林漁業」の領域であれば、
どんなビハインドな状況であっても、
その土地の力を活かして、
循環する地域経済を作ろう(醸そう)としている取り組みや、
あしもとにあるものの価値を磨いて、
何が豊かさなのかを問いかけることで自分たちだからできることに
チャレンジしている取り組みがあります。
2.時間軸
「物事の本質は森に宿る。」
これまでに関わってきた林業の現場や森での出来ごとを通じて感じていることです。
その森はどういった時間軸で構成されているのか、
人が手を加えてその豊かさを享受する森では、100年単位での物語があります。
例えば、祖父が植え、父が育て、子が伐採するというサイクルがあります。
自分の人生では到底かなわない世界を想像しながら仕事をしてきた歴史があります。
奈良の吉野では500年前から人による施業を続けてきています。
すこし話がずれますが、最近注目されている古民家が持つ本当の価値は、
少なくとも築100年以上で、その土地の伝統技法や気候風土に合わせて
造られたものだからこそ残していく価値があるのではないかと考えています。
例えば築130年の木造住宅であれば、その建物に使われている木材は、
更に100年以上前に植えられたものであるからこそ貴重なものであると思います。
(その建築を通じて200年以上の歴史を遡れるのです。)
*社寺仏閣でればなおさらですね。ちょっとしたロマンです。
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とりとめのない話になってしまいましたが、
何が本質なのか?ということを突き詰めていくと、
外しちゃいけないことはこういった要素ではないのかなと感じています。
もちろん、自分たちが何かに取り組んでいく中で稼ぐことは外せませんが、
何が起点にあるかがこれからの社会に求められていくような気がします。
そんなわけで今日はこの辺にしておきたいと思います。